Writerによるweb頁製作

Webで情報発信を行うには、まずweb頁の内容を制作する必要がある。その後、作成したファイルをサーバにアップロードすると、他の人が閲覧できるようになる。現在はこのプロセスを簡略化する方法がいろいろ提供されている。しかしここでは原理を理解するために、手元でHTMLファイルを作成し、それをサーバにアップロードする演習を行う。

Web頁の作成

Writerは基本的にワープロソフトであるが、web頁の作成にも使える。文の作成と表や画像のはめ込みは通常の文書の作成と同様にして行う。既に作成済みの文書をweb頁にすることもできる。

なお、画像ファイルあるいはそれを含んだファイルを配布する場合、位置情報が埋め込まれていることに気づかない場合がある。これはweb頁として配布する場合に限らない。もしも位置情報が埋め込まれていたら、それらの情報を削ること。Windowsの場合、画像のアイコン上で右クリックし、「プロパティ」を選択する。「詳細」タブをクリックし、「プロパティや個人情報を削除」をクリックすることで削除できる。サーバによってはこれらの操作を行わなくても削除されたものを配布するようになっている場合もあるが、原理的にはサーバ運営者が見ようとすれば見ることができる。

また電子的に情報発信する場合には、位置情報に限らず、データの永続性ということを考慮して発信すべきである。データの永続性とは、インターネットに配布されたデータは配布者の意図に関わらず世界のどこかに存在し続ける可能性が高いということを指す概念である。自分自身のプライバシー以外にも、友人や家族の場合、特に未成年者の場合には本人の将来的な考えの変化の可能性まで考慮に入れて、かなりプライバシーを重視する立場で内容を検討すべきである。

URLを指定してweb頁へのリンクを作成

既に存在するweb頁へのリンクを文中に入れることができる。

まず、「挿入」メニューの「ハイパーリンク」を選択する。

ウィンドウがポップアップするので「インターネット」を選び、「ハイパーリンクの種類」として「Web」を選び、ターゲットにURLを記入する。リンクしたいページをwebブラウザで参照できる場合には、リンク先のwebページを表示しておいてそのURLをコピーアンドペーストするのが通常の方法である。通常の、文字列をクリックすることで辿れるリンクとする場合、「フォーム」に文字列を指定し、「テキスト」に表示テキストを指定し、「適用」ボタンをクリックする。以下はこのようにして総合人間学部の情報処理関係科目のホームページをリンクして作成した。

総合人間学部・情報処理関係科目のホームページ

「閉じる」ボタンをクリックすればリンクを指定するウィンドウが閉じる。リンクの上で右クリックしてポップアップメニューを出し、「ハイパーリンクを編集...」をクリックすれば再び同じウィンドウを表示させ、リンク内容を修正することができる。

同じ方法で現在存在していないweb頁へのリンクを指定することも可能であり、相互に参照するwebページを作成する場合など、実際にアクセスされる際に参照されるURLを指定すればよい。

ここでは最も簡単な説明に留めるためにこの方法のみを説明しているが、実際にある程度大きいweb頁群を作成するには専用のソフトを利用した方が便利だし見栄えも良くしやすい。

HTML形式での保存

文書をwebページの形式とするにはHTML形式で保存する必要がある。

「ファイル」メニューの「名前を付けて保存...」を選び、「ファイルの種類」としてHTMLドキュメントを選択する。ファイル名には拡張子.htmlをつける。「名前」を指定し、「保存」をクリックするとHTML形式で保存される。名前は英数字半角文字列くらいにしておいた方が無難である。半角の「-」や「_」、「.」も使える場合が多い。保存されるファイルは1つとは限らない。HTMLファイルの他に画像ファイルなどが1つ以上保存される場合がある。後述のアップロードの際には注意すること。なお、文書自身は.odt形式などで保存しておく方が、作成者の元のイメージに近い形で内容を保存できる場合が多い。HTML形式で保存したら一旦Writerを終了するなどして、続きの編集を行う場合に.odt形式のファイルの方を編集するようにすること。

HTML形式で保存したファイルをダブルクリックすると、手許のwebブラウザで内容を確認することができる。.odt形式の文書とは見え方に違いがある。見え方に問題があればこの段階で修正を行うこと。当然この段階ではサーバにはアップロードされていない。手許で見えるだけである。

HTML形式はプレーンテキストの一種でもあり、ファイルの内容をテキストエディタで参照することが可能である。どのようなものなのかを確認してほしい。この形式で直接手入力してweb頁を作成する人もいる。

WindowsLinux間でのファイルの転送・コピー

ここで、メディアセンターのPCの場合について、WindowsからLinuxに、あるいはその逆方向にファイルを転送する方法を説明しておく。メディアセンター以外の場合には使えるとは限らない。

基本的には両者のファイルシステムは別々のものであって、同じログインIDでも直接的にはもう片方のファイルを参照することはできない。しかし例外が設けてある。具体的には、Windows側のM:¥Linux¥Homeと、Linux側のホームディレクトリ直下のWindowsディレクトリ(~/Windows)は同じものであり、このディレクトリ(フォルダ)を介してファイルを相互転送できる。それぞれの側でのこれらディレクトリとの転送、コピーはそれぞれのOSでの通常の方法で行えばよい。例えばWindowsではエクスプローラを使ったファイルの移動・コピー、コマンドプロンプトでのcopyコマンド、Linuxではファイル・ブラウザを使った移動・コピー、端末エミュレータでのmv,cpコマンドである。これらの内それぞれのOSでどれかの方法を使えればよい。詳しくは説明しないので判らなければネットで調べるか質問してほしい。

サーバへのアップロード

次に、作成したwebページのファイルを別の場所にあるwebサーバにアップロードする方法を説明する。これを行って初めてwebブラウザからネットワークを介してページを参照できるようになる。

サーバのパスワードの変更(サーバへの初回ログイン時など)

サーバへの初回ログイン時にはパスワードを初期のものから変更する必要がある。以下に出てくるIDとパスワードはメディアセンターのものとはまったく別である。サーバのドメイン名、ID、初期パスワードの3つの情報は別にお知らせする。また以下の部分は一読してから実際に行うことをお勧めする。

まず、メディアセンターPCLinuxで画面上部にあるメニューバーの、「システム」右側にある端末エミュレータ(仮想端末という場合もある。以下、端末と略すことがある)アイコンをクリックして端末を開く。端末では、コマンド入力行内でカーソルキー←→により移動して編集できる。また、↑により以前入力したコマンドを参照できる。入力ミスをした場合に非常に有効である。加えて、コマンドやファイル名の途中でTABキーを押すと、曖昧性がないところまで自動的に入力を補完してくれる(コンプリーション)。ファイル名が長い場合などに特に便利である。なおWindowsのコマンドプロンプトでも同じような機能が用意されている。

次に以下のようにしてsshコマンドによりサーバにリモートログインする。 リモートログインとは、離れたところにある(すぐ隣や同じ計算機のこともあるが)計算機と通信状態にしてログインIDとパスワードを入力し使える状態にすることである。 以下では仮に、サーバのドメイン名が「aaa.bbb.jp」であったとしている(当たり前だが、この部分を文字通りこのまま入力しても動作しない。「ID」についてもそうである。お知らせするそれらの値に置き換えなければならない)sshはパスワードや内容を暗号化して通信する。

$ ssh␣-p␣8022␣-lIDaaa.bbb.jp⏎

ここで全ての入力文字は半角である。「$」はプロンプトを表している。プロンプトとは日本語では入力促進記号とも言い、計算機がユーザに対して次の入力を待っていることを表している。ここでは「$」で表しているが、プロンプトは別の文字列である場合もある。下線部は、その部分をユーザが入力することを表している。「␣」は空白文字を表している。ユーザが入力する文字列を示す場合など、空白文字があることが判るようにこの文字を使う。-lは、数字の1ではなくアルファベットのlである。「」は、enterあるいはreturnを表している(ここまでしつこく説明するとうるさいと感じる人もいるかもしれないが、CUI(キャラクタユーザインタフェース)を使ったことがないとわからない場合がある)8022はポート番号というもので、一般にはサーバによって値が異なり得る。サーバと通信が開始されると、sshの接続先を認証できないが接続してよいか英語で訊いてくるので「yes」と答える。訊いてくるのは初回限定であり、次回のログイン時からは訊いてこない。するとパスワードを訊いてくるので入力する。何もエコー(バック)しないが入力は行われているので注意すること。エコーバックとは、入力した文字をそのまま仮想端末等に表示することである

うまくログインできたらこれ以降はおそらくプロンプトがリモートログイン前とは変わる。やはり実際とは異なるが、以下ではそれをremote$というプロンプトで表すことにする。一方、「$」は手許のPCのプロンプトを表している。端末エミュレータでsshでリモートログインする場合、手元のPCにコマンドを与えているのか、リモートのPCにコマンドを与えているかを慣れるまで区別しにくい場合があるので注意すること。プロンプトが異なる場合にはそれらに注意していれば容易に判別できる。

以下のコマンドによって新しいパスワードに変更する。これはリモートのPCのパスワードを変更している。

remote$ passwd⏎

すると現在のパスワードを訊いてくるので入力し、その後新しいパスワードを2回入力する。これはエコーバックしないのでミスを避けるためである。

パスワードはアルファベット大文字、小文字、数字、記号をそれぞれ1個以上含み、長さ8文字以上とする。また自分のID名前、電話番号、存在する単語、ドメイン名等を一部とするのは避けるべきである。これは、ブルートフォース攻撃と呼ばれる、辞書などを利用した総当たり攻撃に対し耐性を得るためである。パスワードは数ヶ月単位での変更が推奨される。また、メディアセンターなど、他のパスワードや暗証番号と異なるものにすることをお勧めする。

パスワードを変更したらctrl-D(controlキーを押し下げた状態でDキーを1回押す。押したままにするとオートリピートする場合がある)でリモートのPCからログアウトし、パスワードが変更されていることを再ログインして確認する。確認後、再びログアウトしておく。

なお、今回解説した方法ではパスワードを以上の方法で変更したが、一般にはサーバによって全く別の方法を用いる場合もある。

サーバへのファイルのアップロード

手許のPCscpコマンドを動かしてファイルをサーバにアップロードする。関連するファイルをすべて転送する必要がある。まずLinuxcdコマンド(change directory)で転送対象のファイルを置いてあるディレクトリに移動する。Windows側にファイルがある場合には、その前にまずLinux側で参照できるようにファイルを転送(移動)しておく。

$ cd␣ディレクトリへのパス。例えば~/Windowsなど。

以下のコマンドで移動先のディレクトリに転送対象のファイルが存在し、大きさが適当であることを確認する。lsとは、ディレクトリ内のファイルのリストを表示するコマンドである。1つのファイルあたり数Mバイト程度までの大きさならばそれほど問題はない。

$ ls ␣-l

アップロードは以下のコマンドにより行う。scpは、手許のPCとリモートのPC(サーバ)との間で暗号化してファイルを転送するコマンドである。

$ scp␣-P8022␣-p␣ファイル名1␣...␣ID@aaa.bbb.jp:www2⏎

ここで「ファイル名1」というのは日本語でこのまま入力するのではなく、転送したいファイルのうち最初のものの名前をここに書く。「...」は、やはりこの通り...と記入するのではなく、他に転送したいファイルが1つ以上あればそれらの名前を空白で区切ってここに入れるという意味である。「www2」は今回の場合はサーバ側に既に存在するディレクトリ名で、このように指定するとサーバ側のユーザが所有するホームディレクトリ直下のディレクトリ「www2」にファイルをアップロードすることになる。「:www2」と「@」はこのまま入力する。また、ファイル名以外は半角文字でなければならない。

⏎を押して通信が開始されると、IDに対応するパスワードを訊いてくるので入力する。個々のファイルではなくディレクトリごと転送することも可能であり、その場合には-pの代わりに-prを指定すればよい。

転送が終わったら、リモートログインして以下のコマンドによりファイルのアクセス許可情報を変更しておく。また、ファイル名と大きさを表示してうまく転送できていることを確認する。ここで初出のchmodコマンドは、ファイルのアクセス許可情報を変更するコマンドである。

remote$ cdwww2
remote$ chmod744転送したファイル名␣...⏎
remote$ ls-l

なお今回はscpコマンドで転送を行い、転送先ディレクトリがwww2だったが、一般にはこれらはサーバにより異なるので別のサーバを利用するときには注意すること。

アクセスできることの確認

Webブラウザで以下のURLを入力し、アクセスできることを確認する。ただしアクセスは高々大学内部のIPアドレスからしかできないので注意すること。ここで:8080の部分は使用するポート番号の指定であり、何も指定しないと:80を指定したのと同じになる。ファイル名に全角文字を使った部分以外はすべてやはり半角文字である。

http://aaa.bbb.jp:8080/~ID/ファイル名

/ファイル名」の部分を省略することもでき、その部分に「/index.html」 を指定したのと同じになるようにサーバ側で設定してある。

課題(kadai06)

A4でいえば1-2頁程度のweb文書を作成し、index.htmlという名前のファイルとしてアップロードしwebブラウザでネットワークを介してアクセスできることを確認する。他の頁へのリンクや画像が入っていた方がよい。テーマは例えば旅行先の紹介など、適当なものでよい。内容は他の人にも参照されることに留意すること。引用は適切に行うこと。個人が特定できる画像や個人情報を入れてはならない。画像に位置情報を入れないこと。著作権上の問題がないようにすること。

アクセス確認後、準備ができた旨をメールする。メールを出さないと提出とは認められない場合がある。メールのsubject:には課題提出用IDkadai06を入れる。メール本文にはアクセスのためのURLを記入すること。